2014年以降、月額1000円以下で使える『格安SIM』や『MVNO』といった言葉がTVや新聞などのメディアで取り上げられるようになりました。
これまでは、モバイル端末やSIMカードに詳しいユーザー向けの印象が強かった『格安SIM』というキーワードですが、現在ではスマートフォンやタブレットの普及と共に一般層のユーザーにも広がりつつあります。
「docomoやソフトバンクなど大手キャリアのSIMカードとどう違うの?」
「格安SIMに興味はあるけど、どうやって始めたら良いの?」
「通信速度や機能などのデメリットは無いの?」
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな格安SIM初心者の方の為に“格安SIMとは何か”について一から解説していきます。
SIMカードとは→→携帯電話で通信を行うために必要なICカード
格安SIMについて理解する前提として必要なのが、SIMカードに関する知識です。
SIMカード(Subscriber Identity Module Card)とは、携帯電話やタブレットなどの端末に挿入して使用する小型のICカードのことです。
名前の通り、回線契約のSubscriber(契約者)をIdentity(識別)する為に必要となります。
現在、スマートフォンに使われているSIMカードの種類は、大きい方から標準SIM、マイクロSIM、ナノSIMの3種類です。
このSIMカードには、端末で利用する電話番号などの回線情報が記録されており、端末を使って通信を行う場合には必ずSIMカードが必要になります。
これまで、日本の大手携帯電話事業者三社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル)では、自社端末で他社のSIMカードが使えないよう(SIMロック)になっていましたが、2011年4月以降に発売したNTTドコモの機種やソフトバンクモバイルの一部機種ではSIMロックがかかっていない(SIMフリー)端末も増えています。
格安SIMとは→→低価格で通信サービスを利用することができるSIMカード
格安SIMとは、MVNOと呼ばれる事業者が大手通信キャリアよりも低価格で提供しているSIMカードのことです。
格安SIMをスマートフォンやタブレットに挿入して設定を行うと、NTTドコモもしくはKDDIの通信回線を通じたLTE/3G通信が可能となります。
ただし、MVNOのサービスはデータ通信がメインであるため、音声通話や携帯メールなどのサービスが受けられない場合もあります。
MVNOとは→→格安SIMを販売している事業者の名称
MVNO(Mobile Virtual Network Operator)とは、携帯電話回線などの無線通信基盤を他社から借り受け、独自のサービスを加えて提供する事業者のことです。その多くが携帯電話会社との直接契約よりも割安なモバイル通信サービスであることから、MVNOという言葉は「格安SIM」という意味合いでも利用されています。
2001年秋に日本で初めてMVNOが登場して以来、現在ではたくさんの事業者がMVNOとして様々なサービスを提供しています。
ところで、格安SIMの料金は従来の大手通信キャリアと比べて何故低価格で済むのでしょうか。
①NTTドコモやKDDIなどの大手通信事業者から通信設備を借りているから。
MVNOはNTTドコモやKDDI、ソフトバンクなどの通信事業者と違い、基地局などの設備を持っていません。
こうした設備を既存の通信事業者から借り受けて利用することによってコストを抑えているのです。
②データの通信量や速度に制限があるから。
MVNOが提供するプランの傾向として、データ通信量や速度に制限があるものが多いです。
しかし、docomo本体のLTEだとデータ通信量が3GBと7GBしかないのに対し、MVNOでは1GBからプランを選択することが出来るため、比較的利用の少ないライトユーザーには向いていると言えるでしょう。
③通信料金の価格競争が起こっているから。
大手通信会社はNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社だけですが、MVNOはDMM mobile、BIGLOBE、IIJmio、Nifty、楽天など多数の業者が参入しているため、通信料金の価格競争が起こっています。
①対応した端末(スマートフォン)を準備する
MVNOのサービスは携帯会社の通信網を利用するため、利用する携帯会社に合った端末が必要になります。(NTTドコモのMVNOを利用する場合は、NTTドコモに対応したスマートフォンが必要)②利用したいMVNOに申し込む
端末が準備できたら、次はMVNOのサービスに申し込みます。③端末にSIMカードを挿入して各種設定を行う
SIMカードが送られてきたら、端末にSIMカードを挿入します。